朝に会社でジョブズ氏の訃報を知ってからというもの、正直言って、何度となく出てくる涙をこらえるのに必死でした。
実は、僕のApple歴はかなり浅いです。最初に買ったApple製品はモノクロのiPodでしたが、その当時はスティーブ・ジョブズなんて名前くらいしか知らなかったし、コンピューターにデザインがどうとか言われても正直ぴんと来ませんでした。ところが、その後ピアノアプリ目的でiPod Touchを購入し、さらにその流れで購入してみたiPhoneで、僕はジョブズ氏、ひいてはAppleの大ファンになりました。
ポケットにしまっておけるサイズで、一瞬で起動し、すべての操作が指一本で行え、インターフェースは小気味よくアニメーションし、さらにその端末はいつでもどこでもネットにつながっている。書店に行ったときにその場で本のレビューが確認できたり、遠出して道に迷ったときに地図を確認したり、さっきEvernoteでメモしたことがすぐに手元で確認できたり、今まで手持ち無沙汰だったバス停の待ち時間をゲームで暇つぶしできるようになったことが、どれだけ僕の生活を便利で楽しいものに変えてくれたことか。
そして続くiPadや、iPhone/iOSの良さをフィードバックしたうえで「Back to the Mac」のキャッチコピーで登場したMacBook Airといった新製品が次々と発表されるのを目の当たりにし、そもそもこの流れ自体がただの音楽プレイヤーだったiPodの時点でジョブズ氏の構想にあった導線だったのだと気付いたとき、ようやく僕はジョブズ氏の先見性に感銘を受けたのでした。たかが一個人が持っていた夢を、たかが一コンピュータ企業が製品として形にし、そして静かに、しかし確実に世界を大きく変え、今やジョブズ氏やアップルは世界中が注目する一個人・一企業にまでなった。夢のある話じゃないですか。しかもそれが夢じゃなく現実に起きたことなのだから。
”何かを妄信的に崇めるだけで自分で判断する意志を持たない人”みたいなイメージが強いので、「信者」という言葉ははっきり言って大嫌いなのですが、でも、ジョブズ氏のことは非常に尊敬していましたし、何より彼のプロダクトの大ファンだったので、その意味では僕はジョブズ信者なのかもしれない。彼のプレゼンが二度と見られなくなったことを思うと、やはり悲しい以外の感情は出てこないですね。「惜しい人を亡くした」という言葉がこれほどぴったり来る人もいないかもしれない。本当に、残念でなりません。
しかしながら、ジョブズ氏は今年の8月にCEOを辞する際に「革新性を最大限発揮するアップルの輝ける日々はまだこれからだ」という力強い言葉をも残してくれています。残ったアップルの人々がきっとジョブズ氏の遺志を継ぎ、これからも素晴らしいプロダクトを世に送り出してくれるものと信じています。
お別れの言葉を書くのは惜しいけれど…スティーブ・ジョブズさん、素晴らしい製品を、素晴らしい情熱を、本当にありがとうございました。長い間本当にお疲れ様でした。心よりご冥福をお祈りいたします。


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